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Harriet Gringの手紙に見る對譯漢和英字書の成立過程
アメリカ人宣教師の妻Harriet (Hattie) Gringは、1879年~1899年の2度の日 本滞在中に、米国の親族宛に多くの私信を定期的に送っているが、その中でGringの翻 訳出版活動に度々言及している。前回の報告では、手紙の中で語られているChinese- Jaoanese-English Dictionaryが1884年に横浜で出版された「對譯漢和英字書、米國 虞琳嵎編纂」であることを紹介した。同時にGring夫妻の経歴やGring字書について系統 だった研究がなされていないことを指摘した。しかしながら、Harriet Gring書簡集読み 進めることにより、夫妻の日本語修得の様子や漢和英字書の編纂作業が、伝道活動の一 環として行われたハイデルベルグ信仰問答の翻訳出版と同時並行的に行われていた過程 が浮かび上がってきた。またこれらの編集過程には、Harrietが家事や出産育児のかたわ ら、伝道活動を含めて主体的に関与していたことがうかがえる。
Harriet Gring書簡は、伝道活動を通して体験した日本の言葉、習慣風俗、来日外国人 について多くの記述があり、この時期の日本の歴史に関する貴重な一次史料と考えられ、 系統的な解読が待たれる。
発表のハンドアウトを見る。→ 20120407Handout.pdf
発表のスライドを見る。→ 20120407peech.pdf
Saturday, April 7, 2012